昨日はムーチーの日(旧暦12月8日)でしたね。 (ムーチーの日は、子供の健康を願って、ムーチー(お餅)を食べる沖縄の行事です。)
ムーチーの日の沖縄は、例年一番寒い日と重なりますが、今年は半袖で過ごせるぐらい暖かい一日となりました。
毎年当たり前のようにムーチーを食べて過ごしていましたが、今年はムーチーの由来を知りたくなり調べてみました。
沖縄市のホームページに載っていた民話を読むと、想像していたものとは異なり(ちなみに想像していたのは、おばあちゃんが作る美味しいムーチーはね、みたいな話でした)、とても恐ろしい話でした。
お父さんとお母さんを早く失った、兄と妹の二人の兄弟がいました。年頃になると、妹ウターの方は久高島に嫁ぎましたが、一人残されたお兄さんの方は、投げやりの気持ちからか、鬼になってよその家の山羊や豚を盗んできては、食べていました。食べるものがなくなると、人間の子供をさらってきて食べている 出典:沖縄市 ムーチー(鬼餅)由来
両親を失くした兄と妹。そして、鬼になってしまった兄を妹が退治するというお話でした。
退治する際に食べさせたのが、兄の好物だったムーチー(崖へ落とすため、瓦を混ぜ込んだそうです)でした。そして現在は、子どもを鬼から守る魔除けとして、食べられるようになったそうです。
「鬼滅の刃」を見た時も思ったのですが、どんな鬼もももともと鬼だったわけではなくて、誰しもが鬼になり得るんだというところが、とても現実的で、とても恐ろしく思えます。
鬼になった兄もきっと、妹思いの優しい兄だったと思うのです。
ではなぜ鬼になってしまったのかを考えると、寂しいという気持ちが大きかったのではないかなと思います。きっと、とてつもない寂しさに、呑まれてしまったのではないでしょうか。
誰にでもきっと心の中に鬼のような存在が眠っているのではないかと思うのですが、優しく撫でてあやすことが、鬼を外に出さない唯一の方法なのではないかと思います。
もし優しく撫でてくれる誰かがずっと側にいてくれれば、それで良いのかもしれませんが、自分自身でそうできることが一番良い方法だと思います。
自分を好きになること。褒めてあげること。
そう過ごして行けるように、毎日を大事に過ごして行きたいなと、ムーチーを食べながら思うこの頃です。
tidanomiyuki